ポバール(PVA) 用途

1.繊維加工

    ポバールは、

  1. 繊維質に対する接着力に優れる
  2. 造膜性が強い
  3. 皮膜強度が強い
  4. 抱合力(毛羽伏せ)が高い
  5. 等の特徴があり、繊維加工剤として多くの分野で使用されています。

主な用途

経糸糊剤

製織効率や織物品質等を向上させるため、ポバールが使用されています。

  • 綿、レーヨンスフなどの親水性繊維
  • ポリエステル、綿/エステル等の合繊混紡糸
  • フィラメント糸

織物加工剤

一時的に織物の風合いを硬くしたり、ねばりを与えることによって、加工性を良くしたり商品特性を高めるためにポバールが使用されています。

  • 織物の硬仕上
  • 洗濯糊

2.紙加工剤

    ポバールは、

  1. 繊維質に対する接着力に優れる
  2. 造膜性が強い
  3. 皮膜強度が強い
  4. 等の特徴があり、紙加工剤として多くの分野で使用されています。

主な用途

クリヤーコーティング

紙や板紙の表面にポバールを塗工することにより、印刷適性、平滑性、耐摩擦性、バリヤー性、耐折強度、破裂強度、耐油性、耐薬品性等の性能を向上させることができます。

顔料バインダー

クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン等の顔料コーティングのバインダーとしてポバールを使用することにより、耐水性、ピッキング強度、白度、印刷光沢等の優れた塗工紙を得ることかできます。

内添バインダー

レーヨン紙、板紙、ガラスペーパー等の内添バインダーとして、常温水ではほとんど溶解しない微粒子のポバールを使用することにより、紙力強度を向上させることができます。

3.接着剤・粘結剤

ポバールは、繊維質や無機物に対する接着力に優れており、紙加工用の接着剤やフェライト、セラミック等の無機物バインダーとして広く使用されています。

主な用途

接着剤

合紙、ダンボール、紙管、クラフトバンド、製本等の紙加工製品用の接着剤や、切手、ラベル等の再湿接着剤にポバールが使用されています。

また、尿素-ホルマリン樹脂等の合板用接着剤の改質および変性剤としても使用されています

  • 紙用接着剤
  • 再湿接着剤
  • 合板接着剤

粘結剤

ポバールは金属酸化物、セメント、石膏、ガラスなど無機物に対する接着力が極めて高いため、フェライトやセラミック成型用の一次バインダーや農薬の造粒バインダー等に使用されています。

  • 無機物粘結剤(フェライト、セラミックバインダー、農薬)
  • 土木建材用混和剤(石膏、セメント)

4.乳化分散剤

ポバールは、親水性基(-OH)と疎水性基(-OCOCH3)を有しており、優れた界面活性能を示します。その特性を利用して、酢酸ビニルの乳化重合や塩化ビニルの懸濁重合における安定剤として使用されています。

主な用途

  • 酢ビエマルジョン重合用

紙用酢ビエマルジョン、木工用酢ビエマルジョン及び後添加

  • 塩ビ重合用懸濁剤

5.フィルム・成形品

ポバールは優れた造膜性があり、透明性、光沢性、非帯電性、印刷性、強靭性などの特性を持っているため各種のフィルムとして利用されています。ポバールフィルムの水に対する特性は、原料の特性により異なります。繊維包装用や食品包装用には耐水性の高いフィルムが使用され、農薬包装用やランドリーバック用には水溶性フィルムが使用されます。

フィルム

  • 水溶性(農薬包装、種子テープ、ランドリーバッグ)
  • 不溶性(繊維包装、食品包装)

成型品

  • スポンジ
  • 研磨剤
  • 耐油ホース等

6.その他

紙加工、繊維加工、接着剤、分散剤、成型品等の分野以外にも、さまざまな分野でポバールの優れた特性が認められ広く使用されています。

  • ビニロン繊維
  • アセタール樹脂
  • 感光性樹脂
  • 化粧品
  • 土質安定剤