1. ホーム
  2. ポバール

ポバール

概要

ポバールは化学品名をポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)といい、合成繊維ビニロンの原料として世界に先駆けて我国で工業生産が開始された水溶性の合成樹脂です。

ポバールは今日、そのユニークな性質を活かして、合成繊維ビニロンの原料のみでなく、フィルム及びアセタール樹脂の原料、繊維加工剤、接着剤、塩化ビニルの重合安定剤、無機物のバインダーなどの用途に、国内外において広い範囲で利用されております。

ポバールの基本構造

ポバールの製造概略

J-ポバールは酢酸ビニルモノマーを重合し、得られたポリ酢酸ビニル樹脂をけん化することにより製造されます。J-ポバールのさまざまな銘柄は、主に重合度およびけん化度を制御することにより製造されています。

重合工程

重合工程では、メタノール溶媒中で酢酸ビニル(VAc)を鎖のように幾つもつないで、ポリ酢酸ビニル(PVAc)にする反応を行います。この工程で酢酸ビニル分子鎖の長さ(重合度と言います)を調整します。重合度によってポバール皮膜の強度や水溶液の粘度等が大きく異なります。また、この工程で他のモノマーを共重合することによって、特性の異なるポバールを作ることも可能です。

けん化工程

けん化工程では、メタノール溶媒中でアルカリ触媒を用いてポリ酢酸ビニルの酢酸基を水酸基に置換し、ポバールにする反応を行います。この工程で水酸基の量を(けん化度と言います)を調整します。けん化度によってポバールの溶解性及びポバール皮膜の耐水性が大きく異なります。
※けん化度(モル%)=(水酸基)÷(水酸基+酢酸基の数)×100

回収工程

回収工程では、重合・けん化工程で使用又は副成した溶剤を精製・回収し、再使用しています。