変性ポバールとは、一般ポバールの水酸基、酢酸基以外の官能基を有するポバールの総称です。JVPでは、カルボニル基を有するDポリマーとカルボキシル基を有するAシリーズを上市していますが、それ以外にも種々の変性ポバールをご用意しております。
易反応性PVA[Dポリマー]
Dポリマーは、水酸基・酢酸基以外の変性基として、反応性の高い“カルボニル基”を有するPVAです。カルボニル基はヒドラジド基やアミノ基と反応性があり、特にヒドラジド系架橋剤とは反応性が高く、熱水にも溶解しない塗膜・皮膜を形成でき、また、透明性の高いゲルを作製できます。
グレードと品質規格
DF-05 | DF-17 | DF-20 | |
揮発分(%) | 6.0以下 | ||
けん化度(モル%) | 98〜99 | ||
酢酸ナトリウム(%) | 1.5以下 | ||
4%粘度(mPa・s) | 5.5±2.5 | 23±3 | 28.5±3 |
Dポリマーの特徴
- 耐水化フィルム・塗膜
- 水性ゲル
- 後変性による機能性の付与
Dポリマーの使用例
Dポリマーの使用(概念図)
アニオン変性PVA[Aシリーズ]
Aシリーズは、水酸基・酢酸基以外の変性基として“カルボキシル基”を有する変性PVAです。
イオン性基を持っているため、一般PVAとは異なる物性を示し、カルボキシル基による反応性が期待できます。
グレードと品質規格
AP-17 | AT-17 | AF-17 | |
揮発分(%) | 7.0以下 | ||
けん化度(モル%) | 88〜90 | 92〜95 | 96.5以上 |
酢酸ナトリウム(%) | 3.0以下 | ||
4%粘度(mPa・s) | 28±3 | 30±3 | 30±3 |
Aシリーズの特徴
- 水溶性が高い
- 水溶液の泡立ちが少ない
- 水溶液の粘度安定性が良い
- ポリエステル、金属との接着性が高い
- 特定の金属塩(硫酸アルミニウム等)とコンプレックスを形成する
溶解方法、その他の使用は一般PVAとほぼ同じです。
その他の変性ポバール
JVPは以下のような特長ある変性PVAを開発しており、用途を探しております。お客様のニーズに合った商品に作り上げていきたいと考えています。ご興味があれば、ご連絡ください。
親水性PVA
非イオン性親水基によるPVAの親水性改良、柔軟性の付与。
疎水基変性PVA
長鎖アルキル基を有するPVA。低濃度でも粘度が高く、チクソトロピックな粘性を示す。
超水溶性PVA
従来のPVAよりも水溶性の高いPVA。
その他
PVAにこんな官能基を付与してほしいというお客様のニーズに誠実に対応したいと考えています。