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JMR

JMRとは、一般ポバールとは異なる重合度・ けん化度範囲にあるポバールの総称です。下記イメージ図の通り、超低重合度、超高重合度、低けん化度ポバールがラインナップされています。

超低重合度とは重合度 100～400、超高重合度とは重合度 5000～8000（一般ポバールの重合度：400～4000）、 低けん化度とは、けん化度 0～80モル%（一般ポバールのけん化度： 80モル%以上 ）で、JMRは、一般ポバールとは異なる物性を示します。

代表銘柄

JMR typeと重合度、けん化度範囲

超低重合度/低けん化度シリーズ

銘柄 特性 用途例
HH type JMR-10HH 熱溶融せず
水溶性
低粘度
  • 無機材料バインダー
  • ホットメルト接着剤
  • 懸濁重合用分散剤
  • 乳化安定剤　など
H type JMR-3H 溶融温度：高
水溶性
低粘度
JMR-10H
JMR-20H
M type JMR-3M 溶融温度：中
水溶性
低粘度
JMR-8M
JMR-10M
JMR-20M
JMR-50M
L type JMR-7LO 溶融温度：低
水に膨潤
JMR-10LL
JMR-10L
JMR-20L
JMR-150L

超高重合度シリーズ

銘柄 特性 用途例
HH type JMR-500HH 水溶性
高粘度
高強度
耐水性
  • 高強度繊維
  • 高強度フィルム
  • 高強度バインダー　など
JMR-800HH
P type JMR-500P 水溶性
高粘度
高強度
JMR-800P

物性

溶解性

JMRの溶剤に対する溶解性は各タイプにより異なります。代表的な溶剤に対する溶解性は表の通りです

  純溶剤 有機溶剤／水（60／40）
タイプ タイプ
溶剤 L M H HH L M H HH
水（20℃） × ◯ ◯ × － － － －
温水（50～60℃） × × ◯ ◯ － － － －
熱水 × × ◯ ◯ － － － －
メタノール ◯～△ △ × × ◯ ◯ ◯ ×
エタノール ◯～△ △ × × ◯ ◯ ◯ ×
イソプロパノール ◯～△ △ × × ◯ ◯ ◯ ×
アセトン ◯～△ △ × × ◯ ◯ ◯ ×

◯：完溶,△：分散溶解（濁り有）,×：不溶

熱特性

JMRはHHタイプを除いて熱溶融性を有しています。各タイプの代表銘柄の融点、一定流動温度、分解開始および分解終了温度は表の通りです。

  熱特性
 銘柄 融点
［℃］*1		 一定流動温度
［℃］*2		 分解開始温度
［℃］*3
 Lタイプ  JMR-10L 110 115 320
 JMR-20L 120 125 320
 JMR-150L 190 210 320
 Mタイプ  JMR-8M 145 155 300
 JMR-10M 150 160 300
 JMR-20M 160 180 300
 Hタイプ  JMR-10H 170 190 290
 JMR-20H 180 210 290

＊1 柳本微量融点測定装置で測定。
＊2 荷重2.16KgfでMFRが10g/10minとなる温度を測定。
＊3 熱減量曲線(TGA)より読取り。

用途

各種セラミックへの応用

バインダーを使用するセラミックス成形法として、プレス成形、テープ成形、鋳込み成形、射出成形、押出成形等があります。

JMRは、あらゆる無機材料、成形法に使用可能であり、特にアルミナ、ジルコニア等の酸化系無機材料の成形にその特性を発揮します。

【応用例】プレス成型（汎用タイプとの比較）

アルミナを使用したセラミックススラリーの物性及びスプレードライ後の造粒物の物性を汎用タイプ（JP-05）と比較した結果を示します。

PVA JMR-10M JP-05
（汎用タイプ）
スラリー濃度(%) 65 65
スラリー粘度（mPa・s）*1 420 3250
噴霧状態 良好 送液難
造粒物D50（μm) 40 45
造粒物外観 陥没球なし 陥没球なし
成形品硬度(N)
［成形圧：40MPa］		 79.0 67.2

*1　B型回転粘度計（30℃,30rpm）

詳細情報はお問合せください

【アルミナ造粒物外観】SEM 500倍観察

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